植物が生育するためには、水が必要不可欠です。
サボテンなど多くの水を求めない植物がある一方、湿地・熱帯雨林などに生息す植物は過湿状態を好む植物もあります。
そんな植物たちを飼育するための方法として、「腰水栽培」と呼ばれる管理方法がありますので紹介します。
腰水栽培とは
腰水栽培は、植物鉢を水に浸して底面給水を行って、用土を湿潤状態に保ち続ける植物管理方法です。
水の深さによって「鉢の1/3くらいの浅い管理」「鉢の半分くらいの中くらいの管理」「鉢の2/3くらいの深い管理」に3タイプにわけることができます。
通常の底面給水より浸水させることで、乾燥・水切れに弱い湿潤環境を好む植物を育てるのに適した飼育方法になります。
また、播種時・発芽直後など水やりによる撹乱を避けたい場合にも、一時的な管理として使われているようです。
旅行時などの長期不在時に使用している方もしますが、普通の鉢花では根腐れの原因になるのであまりおすすめしません。
腰水栽培の注意点
植物の種類・根の張り方・用土の種類・季節によって、鉢1つ1つ管理方法が異なります。
そのため、「腰水栽培はこうするべきだ」と一概には言えません。
ただ、腰水栽培で注意すべきことは分かっているので、3点に絞って紹介します。
腰水栽培の注意点
- 根腐れ・過湿
- 水腐れ・水の富栄養
- 用土の選定
①根腐れ・過湿
どの程度の湿潤状態を好むのかは植物によって大きく異なります。
特に把握しなくてはならないのは、酸素の補給ができず根が呼吸できなくなる根腐れの原因となる「根の状態」です。
根の先端だけが腰水に接している状態を好むのか、どっぷり浸かっていることを好むのか、植物についてしっかり学んでおきましょう。
根が全く呼吸できないと根腐れの原因になるので、空気に触れる部分の用土は水苔で管理して通気性を確保することが多いです。
害虫の住処にもなりやすいので、屋外飼育の際は注意して使用しましょう。
②水腐れ・水の富栄養
腰水に使う「飼育水」に注意が必要です。
夏は高水温になりやすく、根を痛める原因になり、雑菌が繁殖しやすく水が腐る原因にもなりかねません。
そのため、水換えを水量に合わせて適切に行いましょう。
私は、「水を腐らせない」「ボウフラ・ハエを湧かせない」などの理由で、メダカビオトープの中で腰水栽培を実施しています。
こうした複合的な管理を行う際には、水の富栄養に注意が必要です。
腰水を好む植物は貧栄養である湿地に自生しているものが多いので、富栄養な水を使うと栄養過多で病気になりやすくなります。
③用土の選定
腰水栽培をする植物の用土に、「保水性が高い」「栄養が豊富」な土を使うのは難しいです。
植物にも悪い影響を与えるだけでなく、用土自体が腐る可能性が非常に高くなります。
そのため水に浸かっている部分の用土には、通気性・排水性が良い「赤玉土」「軽石」が用土に適しており、一般的な園芸培養土・鹿沼土などは適していません。
まとめ
「腰水栽培」と呼ばれる管理方法についてまとめてました。
湿地性植物・食虫植物などの管理の参考になっていれば幸いです。