農道は、主に農業用に利用される道路で、大型農業機械の往来・農業施設へのアクセスなど、農業生産活動の効率化に寄与する重要なインフラです。
農村の社会生活環境の整備を通して、農村振興に関わることにも繋がり、多面的な機能を満足する道路設計が必要です。
適切な農道を敷設するためには、どんな規格の農道を計画するのか考えなければなりません。
本記事では、農道の分類・定義についてまとめます。
農道の分類

農道は、機能・路線配置から、以下のように分類できます。
- 基幹的農道(広域農道)
- 圃場内農道
・幹線農道
・支線農道
・耕作道
基幹的農道(広域農道)
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基幹的農道は、農業生産活動・農産物流通などの利用を主体として、農村の社会生活活動にも利用される農村地域の基幹となる農道です。
農産物の集出荷・流通・加工の各段階を有機的に結びつけるだけでなく、集落・市町村を連絡するため、国道・県道などの一般幹線道路等へのアクセス改善を図ります。
大型車が安全にすれ違えるように、2車線以上にするなど一般道路と似た機能を備えています。
圃場内農道
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圃場内農道は、主に農業生産活動に直接関わる道路で、以下のような特徴を有します。
- 圃場への通作(農作業のための往来)
- 営農資材の搬入
- 圃場からの農産物の搬出
細分化すると、幹線農道・支線農道・耕作道に分けることができます。
幹線農道
幹線農道は、集落と圃場・圃場間・圃場と基幹的農道等を結ぶ主要な農道です。
農業地域と主要な市場や流通センターを結ぶ役割を持ち、主要道路との接続にも便利になるように計画されます。
幹線農道の有効幅員は、すれちがい幅50cm・車両余裕幅30cmなどが考慮されます。
支線農道
支線農道は、幹線農道から分岐し、圃場・耕区に連絡する農道です。
農作業のための往来・肥料や農薬等の営農資材の搬入・収穫物の搬出に利用されます。
計画上、さらに2つの区分に分類されます。
- 縦支線農道(通作道):等高線に直交または耕区の短辺に接し、幹線農道と各耕区を結ぶ農道
- 横支線農道(連絡道):縦支線農道に直交する農道
使用する農業機械の種類によりますが、支線農道の幅員は3~4m程度になります。
耕作道
耕作道は、収穫・防除作業時に利用される農道です。
耕区内または耕区の境界部に設けられ、樹園地における園内道も含まれます。
まとめ

農道の分類・定義についてまとめました。
- 基幹的農道(広域農道)
- 圃場内農道
・幹線農道
・支線農道
・耕作道
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