静岡県は、以下の10個の構造物が選奨土木遺産に認定されています。
- 狩野川放水路
- 旧熱海線鉄道施設群
- 御成橋
- 宇津ノ谷隧道群(明治・大正・昭和)
- 駿府御囲堤(薩摩土手)
- 鹿島橋
- 清水灯台
- 安倍川橋
- 大井川橋
- 曽我浦片隧道(4号、5号)
本記事では、大井川橋について解説します。
土木遺産とは
土木遺産(土木学会選奨土木遺産)とは、日本の歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、土木学会により「土木遺産」に認定・顕彰された構造物群のことです。
認定制度は、平成12年に設立され、推薦・一般公募により毎年20件程度が選出されています。
土木遺産は、以下の4つのことが促されることが期待されています。
- 社会へのアピール:土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解等
- 土木技術者へのアピール:先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起
- まちづくりへの活用:土木遺産は、地域の自然や歴史・文化を中心とした地域資産の核となるものであるとの認識の喚起
- 失われるおそれのある土木遺産の救済:貴重な土木遺産の保護
毎年次々と土木遺産が増えていきますので、土木学会のHPを閲覧し、最新の土木遺産の情報をご確認ください。(土木学会選奨土木遺産HP)
大井川橋とは
引用:土木学会 選奨土木遺産
大井川橋は、静岡県の一級河川大井川に架かる、静岡県道381号島田岡部線(旧国道1号)の道路橋梁です。
戦前では最大級の全長1,026.4m・17径間のトラス橋で、下路式のプラットトラスも現像されている点が評価されています。
2003(平成15)年度に土木学会の選奨土木遺産に認定されました。
大阪市都市工学情報センター理事長の松村博が選出した「日本百名橋」にも認定されています。
【大井川橋の諸元】 | |
竣工年 | 昭和3年 |
施工費 | 174万3674円 |
橋長 | 1026.4m |
橋幅員 | 全幅8.30m ・車道6.30m ・歩道部1.50m |
最大支間長 | 59.4m |
大井川橋の沿革
江戸時代の大井川は川幅は約1.3kmあり、橋がかかっておらず、川越人足を雇って肩車で運ばれていました。
「箱根八里は馬でも越すが、越すにこされぬ大井川」と呼ばれ、橋も渡し舟もない難所でした。
その川越人足廃止に伴い、1875年から木製の仮橋が架けられ、1883年に本設が完成します。
しかし、大井川の洪水・反乱により度々流失しながら運用されました。
1928年に旧国道1号に念願の鉄橋が架かり、交通の要所として機能します。
1971年に国道1号は、上流に架けられた新大井川橋になりますが、地域に欠かせない橋であることは変わりありません。
大井川橋へのアクセス
- 所在地:静岡県島田市・金谷町
- 自家用車所要時間:新東名高速道路「島田金谷IC」から約10分
- 公共機関所要時間:大井川鐵道「新金谷駅」から徒歩約10分
・タクシー:タクシーアプリ「GO」
・レンタカー:skyticketレンタカー
まとめ
土木遺産に認定されている「大井川橋」についてまとめました。
SLやトーマス号で人気の「新金谷駅」から歩いていけるので、ぜひお近くにいましたら寄っていただきたいです。
土木遺産を随時視察して情報をアップしていますので、ぜひご覧ください。