「ねじりまんぽ」は、明治・大正期に建設されたレンガ構造の土木構造物で、日本では32件ほど確認されています。
岐阜県には、「小田原川橋梁」「甲中吹橋梁」「甲大門西橋梁」の3つあります。
この中でも、甲中吹橋梁を現地踏査しましたので、諸元・現地の情報をまとめます。
「ねじりまんぽ」とは
「ねじりまんぽ」は、アーチのレンガが螺旋状に積まれたトンネルのことで、正式名称は煉瓦斜架拱(れんがしゃきょうきょ)です。
斜拱渠とは、暗渠タイプのアーチ橋で、斜アーチとも呼ばれます。
「まんぽ」とは、鉄道線路の盛土の下を貫くトンネル状の構造物を総称する近畿地方の方言で「まんぼ」「まんぷう」「まんぼり」「まんぼう」など色々な呼び方があるようです。
鉄道線路と道路・川が斜めに交差する場合、耐久性を上げるために線路と直角に交わるようにレンガを積むので、トンネル内が捻ったように見えます。
煉瓦からコンクリートブロックに移り変わるとともに、「ねじりまんぽ」は建造されなくなりました。
そのため、鉄道黎明期の明治からコンクリートが広く普及する大正時代初期までのごく短い期間のみに採用された工法であるため、現存している「ねじりまんぽ」の数は少なく、当時の技術を確認できる貴重な土木施設です。
ねじりまんぽ「甲中吹橋梁」について
甲中吹(こうなかぶき)橋梁は、岐阜県瑞穂市内にある、JR東海道本線と道路が交差する「ねじりまんぽ」です。
1887年(明治20年)に大垣駅 – 加納駅(現在の岐阜駅)間が延伸開業したときに竣工もので、側壁下部は石積みでアーチ末端面の4巻の鋸歯が特徴です。
1.9mの高さ制限があるので、車で通過するのは難しいかもしれません。
甲中吹橋梁 南側から望む
甲中吹橋梁 北側から望む
甲中吹橋梁 側面
「甲中吹橋梁」へのアクセス
- 所在地:〒501-0321 岐阜県瑞穂市横屋
- 公共交通:樽見鉄道「横屋駅」から徒歩約10分
- 自動車:東海環状自動車道「大垣西IC」から車で約15分
駐車場
甲中吹橋梁付近には駐車場がありません。
線路沿いは比較的道路の幅員が広いので、路駐するのが良いでしょう。
ただ、迂回するには難しい場所ですが、周辺の交通状況に留意して訪問してください。
まとめ
岐阜県瑞穂市にあるねじりまんぽ「甲中吹橋梁」をまとめました。
瑞穂市内のJR東海道本線のマンポの中で、人が通ることができるのは7箇所あります。
甲中吹橋梁を訪れる際は、ぜひ他のマンポも観察してみてください。